日本の神社について

教育

「神社についての知見を深めたい」
「神社とお寺の違いが知りたい」
「神社本庁に属していない神社が気になる」

神社とはあえて説明など不要なくらいに身近なものかもしれませんが、意外と知らないことも多かったりします。
例えば寺との違いを説明できるでしょうか。
おそらくこれくらいは常識的に分かる人が多いはずですが、寺とは仏教の施設です。
紀元前6世紀頃のインドの釈迦を開祖とする宗教であり、イエス・キリストが開祖のキリスト教、ムハンマドが開祖のイスラム教と並んで世界三大宗教の一つとされています。

参考:神社本庁

宗教の信者の数

ただしこれは世界的な広がりがあるという意味での三大宗教であって、実は信者の数ではこの順番ではありません。
信者の数は、キリスト教が約24億人、イスラム教が16億人程度であるのに対し、仏教はせいぜい5億人程度に過ぎず先の二者とは大きな差がある上に、信者数ではヒンドゥー教が約10億人でキリスト教・イスラム教に次ぐ第三位だからです。
それはともかく、神社は仏教ではなく神道の宗教施設という点で寺とは異なります。
神道というのは日本古来の宗教であって、自然のあらゆるものに神が宿るとか、あるいは自分たちの祖先を神として崇拝するといった民俗的な信仰が元になっていると考えられています。
ちなみに、キリスト教でもイスラム教でも仏教でも開祖がいますし、聖書やコーラン、仏典のような経典が存在しますが、神道には開祖もいませんし経典もありません。

同じ宗教であっても根本的なところで大きな違いがある

同じ宗教であっても根本的なところで大きな違いがあることに気付かされます。
神主は祝詞をあげることはありますが、いわゆる説法をすることもありません。
経典がないのですから、説法をしようと思ってもできないということです。
神主と宮司は同じようなものと思っている人も多いかもしれませんが、宮司とは神主の一種というか、その神社のトップである神主が宮司と呼ばれます。
一般の会社で言えば社長のようなものです。

全国に神社はどれぐらいある?

ところで全国に神社はいくつくらいあるか想像できるでしょうか。
これは本当に正確に数えることは困難らしいですが、文部科学省のまとめによると約8万5千あるとされています。
一方で寺は7万くらいあります。
なかなかこの数にピンとこないかもしれませんが、日常的に身近に見かけるコンビニエンスストアは、全国にいくつくらいあると思うでしょうか。
めちゃくちゃに多いと思うかもしれませんが、実は5万5千くらいしかありません。
コンビニよりも寺の数が多く、それよりも神の社のほうがさらに多いわけです。
ただ、これは宗教法人となっている社だけの数であって、単なる祠のようなもので地元の人が通りすがりに手を合わせているものまで全て含めると15万とも20万とも言われていますので、そういう意味で正確な数値を出すことが難しい側面があります。

日本に宮司は何人いる?

それはともかく、宗教法人となっている社が8万5千あるとして、では日本に宮司は何人いるでしょうか。
それは同じ数だけ、つまり8万5千人いるに決まっているではないかと思われるかもしれませんが、答えは全くそうではありません。
実は1万人程度しかいないのです。
残りの7万5千は、宗教法人なのにトップの宮司がいないということなのか、一般の企業法人で社長が不在というのと同じであり得ないのではないかと言われそうな気がしますが、ちょっと事情があります。
簡単に言えば複数の社のトップを兼任している宮司が多いということで、意外と宮司は忙しいというか大変だということを表しています。

地域の行事があるたびに呼ばれることも多い

地域の行事があるたびに呼ばれることも多いわけで、その都度出かけていかなければなりません。
宮司でこの状況ですから、他の神主が数多くいるはずもなく、要するに日本の社はたった一人だけ宮司がいて、しかもその人は他と兼任ということが多くなっており、神主といえば宮司であることが当たり前になっているのです。
このため、両者を混同したり同じものと思っている人がいたとしても何ら不思議ではありません。
神主には誰でも容易になれるものではなく、本庁から位階を受けなければなりません。
これもまた複雑なところで、本庁の支配を受けていないような社はいくらでもあるのですが、そんなことを言ってもむやみやたらに神主が乱立しては困りますので、本庁の認める位階が事実上の認定のようになっているのです。
位階を受けるためのコースは複数あって、大学の学科の中に設けているところもわずかながらあります。
その他には大きな神社であれば自前でコースを開講しているところもありますし、一般の仕事をしている社会人のための通信教育課程も設けられています。

まとめ

これらの課程を無事に終了し、本庁から位階を受けることで神主となる事実上の資格を得たことになります。
宮司が兼任している社は多いということから、神主になれば就職先には全く困らないに違いないと思われるかもしれませんが、普通の企業などとは異なる世界ですので話はそう簡単なものではなく、少なくとも広く宮司募集の求人が公開されるようなことはまずなく、人づてが基本となっています。

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