敵対的買収への対抗策

「敵対的買収」への対抗策としては、近年ではその両方、つまり「敵対的買収」と「買収防衛策」それぞれについて議論されることが増えてきています。

「買収防衛策」とは文字どおり、現行の経営陣や企業にとって望まざる買収を防止するための策を講じることを指します。

「買収防衛策」には企業間の経営権に関する争いが既に起こっている場合の防衛策と、将来的に予見されるこの争いに事前に備える防衛策の2つがありますが、後者を「事前警告型防衛策」と呼びます。

本来は企業価値の維持や向上のための策であるはずが、見えざる脅威から現経営陣の身を守るためだけ、主旨に反すると捉えられると、一般の株式市場では反発を招いてしまいます。

このように、買収されることで、企業価値の向上の機会が摘まれてしまうような「買収防衛策」は株主への背反であり、それまでの株主対策や、株式の長期保有などの安定化へ向けた戦略など、全てが無に帰す恐れもあります。

そこで「事前警告型防衛策」にとって重要となるのが「株主総会」と、どの条件下で防衛策を発動するかといった、トリガー条件の設定です。

この設定には、株主の意向をくみ取らなかったりすることがないよう、現経営陣からは切り離された「委員会」が設置され、この「委員会」が「事前警告型防衛策」発動の是非を判断することになります。

「委員会」は経営陣を含まないメンバーで構成されるため、公平な決定を得るためには必要不可欠な存在であると言えます。

そもそも、この「買収防衛策」の是々非々が議論されることとなったのも、これまで企業間での慣習であった「株式の持ち合い」が、時価会計導入により資産価値が変動するという事態に直面し、「保有することへのリスク」がクローズアップされてきたことで、「持ち合い」の解消へ繋がり、企業買収の困難さが低下したことがあります。

また、金融取引の自由化による「投資ファンド」の台頭、「敵対的買収」に対する経験の不足、なども挙げられます。

 

関連リンク
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http://ja.wikipedia.org/wiki/M%26A
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